2015年2月7日から14日までニュージーランドに出かけた。南半球なので季節が夏に当たる。しかし実際は日本の春ぐらいの感じで過ごしやすかった。暑いということはほとんどなかった。ニュージーランドは面積で日本の70% 、人口で日本の3.6%。人口密度は日本が336人/㎢に対し、ニュージーランドは15.8人/㎢といううらやましい国である。人間の手があまり入っていない大自然がまだ残っている国土の中で適度の数の人間がゆったりとシンプルな生活を営んでいる、という印象であった。
2/7・8 4時間半+11時間半+1時間余のフライト
現在、関西空港からの直行便はなく、関西空港から香港経由でニュージーランドに向かった。飛行機はキャセイパシフィックで、関空から香港までのフライトは4時間半なのでそれほどきつくなかった。次に香港空港を15時25分に出発し、オーストラリア上空を通って、ニュージーランドの北島にあるオークランド空港へ翌日の朝7時半頃着いた。この11時間半がやはりきつかった。さらに北島のオークランド空港から南島のクライストチャーチ空港へ1時間20分のフライト(ニュージーランド航空)である。前が長かったためこれは楽だった。ニュージーランドは日本よりも東にあるため時差は4時間で日本が午前8時なら正午まで進んでいる。
2/8 クライストチャーチ市内観光とテカポ湖
クライストチャーチへ向かう飛行機からの眺めがよく、山野や河川がはっきりと見えた。クライストチャーチ到着後は専用バスで市内観光へ。クライストチャーチは町全体が公園のように整備されていた。最初に訪れたのは、個人の住宅であった。一般的な住宅の構造とインテリア・エクステリア、さらには生活ぶりまでを見せていただき、貴重な体験をさせていただいた。築40年といわれたがきれいにメンテナンスされていた。軽食と飲み物をいただき、気持ちのいいおもてなしであった。ニュージーランドの一般的な住宅は平屋建てが多かった。人口密度から考えると納得がいく。次にハグレー公園に行く。
クライストチャーチからテカポへ大移動、226km
車窓からの眺めは広大な大平原にのどかな牛や羊の牧畜風景。川の水は山地からの水であるため青く白い色をしていてきれいであった。シャケやマスが泳いでいるそうである。
クライストチャーチとテカポの中間に位置するジェラルディンで休憩。途中の風景はアップダウンが多い丘陵地帯であり、羊、牛、鹿を放牧していた。そういう中をマウント・クックに向けてバスは走った。マウント・クックは発見者のジェームス・クックの名前からとったものだが、マオリ語ではアオラギという。そしてテカポ湖に着く。素晴らしい絶景であった。何時間もバスに乗った甲斐があった。今晩はテカポ湖畔のホテルに宿泊。夜、星空を見てまた感動である。夜空にはこれほど星があったのかというぐらい小さな星まで鮮やかに見えるのである。この星空を世界遺産に登録しようという動きがあるそうである。
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2/9 テカポからマウント・クックへそしてクイーンズタウンへ
テカポ湖の水の色が入浴剤を使ったような青く白い色をしているのはなぜか。この青色をグレッシャーブルーglaciar blueというそうである。glaciarとは氷河のこと。文字通り、氷河が生み出した青色なのである。氷河が山の岩肌を削ったときに細かい岩石の粉が出る。その粉には鉱物も含まれている。その粉に太陽光線が当たってできた輝く青色なのである。つまり大自然が作り出した青色である。そう考えてみるとますます青く輝いて見える。水の色でその湖がどのようにしてできたかがわかるのである。他にプカキ湖、ワカティプ湖なども同じ色をしていた。ところでこれらの湖の名前はどう見ても英語ではない。マオリ語であった。ニュージーランドは先住民の文化を大切にしていることがうかがえる。
その氷河が削った山と山の間を通ってマウント・クックを目指す。ところが山に近づくにしたがってどんどん雨が激しくなった。もともと雨の多い地域でこういうことも珍しくないそうである。現地に着いたがマウント・クックには雲がかかり何も見えなかった。残念である。
マウントクックを後にして一路クイーンズタウンへ向かう。途中、アロータウンという小さな町に立ち寄る。1800年代後半、砂金目当てにたくさんの人が住んでいたそうである。当時の雰囲気を残す建物がたくさんあり、散歩するには最適であった。午後8時頃クイーンズタウンに着いた。8時でもまだ太陽は沈んでいない。日没時間はサマータイム制を採用しているとはいうものの、午後9時を回るのである。この時期が昼の時間が一番長いということである。
※交通事情 交通インフラは人口密度に合った整備がなされていた。シンプルな道路網であった。日本のように有料の高速道路というのはほとんどない。一般道路であるが都市と都市の間は、最高速度100km/h制限、都市の市街地に入ると50km/h制限になる。通行量の少ないところにかかる橋は1台分の車しか通れない幅で交互に通っていた。橋の建設費用が少なくて済む合理的な方法だと思った。逆に狭い日本には道路や橋がありすぎるのではないかと思った。
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2/10 クイーンズタウンズから往復600kmでミルフォードサウンドへ
ホテルを出発して目指すはミルフォードサウンド。まずは細長いワカティプ湖に沿った道路を走る。ワカティプ湖は氷河が山を削った後にできた湖で、湖に面する山の斜面の角度がそのまま湖底まで続く。したがって湖の深さは平均約300m、水が動かないので水温は年中13度。シャケやマスが住んでいて釣りをする人も多い。バスがワカティプ湖を過ぎた後の風景は以前にも見た羊や牛を放牧するのどかな牧場風景である。車道と平行に自転車道も整備されていて、海外からもサイクリングをしにくるそうである。今、ニュージーランドでは乳牛を育てる酪農が流行っているそうである。今までは肉目的の牧畜が主流であったが、乳目的の酪農が増えていて、乳牛が増えており、その分、羊が減っている。ニュージーランドは酪農製品においてトップクラスの輸出国になっている。バスはさらにテアナウ湖に沿って北進しながらミルフォードサウンドを目指す。ミルフォードサウンドの山々はマウントクックも含まれるサザーンアルプス属している。サザーンアルプスは南島の背骨のような存在になっている。西からの湿った空気がこの山脈にぶつかり雲を作り、雨を降らすため、非常に雨のおおい地域である。
テアナウ湖の山々は急峻で湖面からの標高が1400mと高いため、山肌の途中までは木が生えているが山の頭に当たる部分は木が生えていないのである。標高が高いからである。湖に面する山の斜面が急であるため、所々「木のなだれ」が発生していた。これは大雨によって岩山を覆う苔の層とそこに生えている木々が滑り落ちる現象である。
そうしてミルフォードサウンドに到着。いわゆるフィヨルドを船に乗って海から見るのである。サウンドとは音ではなく入江のことを言うそうである。ふだん雨が多いところなのだが今回は最高の天気で遊覧を満喫した。滝があり、そのしぶきがかかるところまで船を近づけるサービスをやってくれた。また岩の上でアザラシが日光浴をしている珍しい風景もあった。遊覧船を降りた後はまた一路クイーンズタウンへの帰路に着いた。
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2/11 クイーンズタウンからクライストチャーチへ大移動、484km
基本的には移動日である。車窓からの眺めはニュージーランドの典型的な風景であった。それはなだらかな丘陵が続き、その丘にはタソックとトゲのある木が生えている。年中同じ風景だそうである。タソックはイネ科の植物だが繊維が固いため、羊や牛が食べない。茶色い色で一見枯れたように見えるが枯れてはいない。道路わきに群生しており至る所で見かけた。
そうした風景が1日中続くのかと思いきや、今回の旅行で最高の光景に遭遇した。2/9に雨で見ることができなかったマウント・クックとパカキ湖を快晴の中で見ることができた。独特の青色をした湖の背景に雪山のマウント・クックがそびえている。湖面が太陽光線でキラキラ輝いている。素晴らしいの一言である。(写真をクリックすると大きな写真を見ることができます)
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2/12 クイーンズランドからクライストチャーチへ、ロトルア観光
早朝にクイーンズランドのホテルを出て、空路オークランドへ。オークランドに着いてからロトルアへ向かう。ロトルアは近代的に整備された観光都市という感じであり、湖・温泉・森林・マオリ文化と多彩であった。テプイアというところへ行き、間欠泉とマオリ族の展示を見学した。日本でいえば別府温泉の地獄めぐりという感じである。ホテルでは夕食時、マオリダンスのショーを見せてくれた。われわれのグループだけの貸切であった。料理もおいしく楽しませてくれた。
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2/13 森林浴、土ボタル、オークランド市内観光
△レッドウッドフォレスト
朝30分程度ウォーキング兼森林浴。背丈の高い松が林立する中、さわやかな空気を吸いながら気持ち良い散歩をした。自然にを大切にしながら遊歩道やトイレなどがきちんと整備されていた。
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△ワイトモ鍾乳洞の土ボタル
ニュージーランド観光の中でも人に薦めたいものの一つにこの土ボタルがある。真っ暗な洞窟の中の池を船に乗って鑑賞する。大きな音や明るい光を嫌うため、光もない音もない中を船が進んでいくと、突然天の川のような土ボタルが現れた。感動して歓声を上げたいところだが息を殺して静かに堪能した。本当の蛍ではなく、ヒカリキノコバエという昆虫。これも撮影禁止。そこでイラストで紹介する。実はこれは天の川のイラストだが、これと非常によく似ていた。もう一つの写真は昆虫としての本当の姿に近い写真でウィキペディアから引用した。
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※少し英語の勉強になりました!
道路に交通安全のメッセージ看板→Wize Driver Never Need Speed (賢い運転者にスピードは必要ない) Think about what's ahead (前方に何があるか、考えてみよう)
Keep left unless passing(追い越しでなければ左側通行) ロータリーの交差点 → round about 空室なし → No Vacancy
※キーウィ kiwi
オーストラリアやオーストラリア人のことを別名オージー Aussieと呼ぶ。ニュージーランドでは何というか。キーウィkiwiである。キーウィはくだもののことであると同時にそれとイメージがよく似ている鳥のことも指す。国を代表する鳥であるが、希少な存在のようである。残念ながら撮影禁止であったため、イラストで我慢してほしい。やはりマオリ語であった。